・Talk 01
国指定重要文化財であるが故の制限された施工方法の中で
国指定重要文化財である北海道庁旧本庁舎(赤れんが庁舎)は、1888年に竣工してから130年以上も北海道のシンボルとして、道民から親しまれています。1968年の改修工事から50年が経過し、耐震性の向上が必要とされることから今回の大規模改修工事が計画されました。
当社は、館内展示や機能の全面的な見直しに関わる電気設備全般の改修を行うため、2021年9月よりプロジェクトに参加し、2025年2月に竣工しました。国の重要文化財であることから、工事にあたっては、建設当時の姿を最大限残すため、元の建設材を再利用することや外観を損なわない工法を取り入れる必要がありました。そのため、各工事ごとに細かな確認と申請を繰り返し業務を進めていきました。
2021年9月よりおよそ1年をかけて、電気設備の設置箇所やケーブルの敷設箇所の調査を実施し、その中で、歴史的価値のある史跡が次々と発掘され、当初予定していた図面や設置個所の変更を余儀なくされました。工事中も、このような変更は続きましたが、景観と使い勝手を最大限に考慮しながら、その都度、最適解を探していきました。
例えば、B1F「学びと継承のフロア」では、当初、床下に配線をする計画をしていましたが、床下から基礎など多くの遺構が発見され、天井の中に配線をする計画に変更しました。しかし、天井の中に配線をするために天井の位置を下げると、扉の開閉に支障が出てしまうため、最終的な方法として、ラックを露出させた状態で配線をする方法をとりました。とはいえ、観光客が訪れるフロアになるため、圧迫感がなく空間を広く見せられるように、ラックの位置を調整するなど工夫を凝らしています。また、天井が高い建物であり、メンテナンスや点検の度に休館が必要になる可能性があるため、将来的な作業効率や美観を維持しながら、負担を最小限に留めながらメンテナンスができるよう、オール配管で施工しました。